「亡くなった母の自宅の固定資産税の
支払を求める通知が来ました。」
というご相談を受たことがあります。
「母の自宅を相続した覚えは無いので
固定資産税を支払う義務は無いはずです。」
とその方はおっしゃいます。
このようなご相談には、こうお尋ねします。
「お亡くなりはいつですか?」
もし、お亡くなり(を知って)から
既に3カ月が経過していれば、
基本的には相続が確定しています。
冒頭のご相談には「支払う義務があります。」
とお答えすることになります。
通常、子は亡くなった親の相続人になります。
(民法887条1項)
そして、相続人は、自己のために相続の開始が
あったこと(亡くなったこと)を知った時から
3ヵ月以内に限定承認又は相続放棄をしないと
亡くなった方の権利義務を全て承継します。
(民法920条、921条2号、915条1項)
放っておくと、遺産は全て
相続人に引き継がれることになります。
回避するには、基本、お亡くなりを知った後
3ヵ月以内の相続放棄しかありません。
もし、借金のような負の遺産があれば、
それも含めて全て引き継がれます。
それまで平穏な生活を送っていた方が
莫大な借金を抱えた親を相続したために
破産して持家を失ってしまうということは、
現実に起こりうる悲劇です。
相続の場面では、急ぎ、全ての遺産を調べ、
相続放棄などの要否を早めに検討することを
強くお勧めします。